消費者の葬儀に対しての価値観
2016/2/6
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福岡直葬センターは平成24年に開設致しました。当初は葬儀同業者やお寺からも冷ややかな視線で見られていました。「葬儀をしないことを奨励するのか?」「業界全体の葬儀単価が下がるのでは?」など言われていました。しかし今では、「直葬」という言葉が一般的になり、葬儀形式の選択肢のひとつとなりました。それは何故でしょうか?
ひとつは消費者の葬儀に対して価値観が変わってきたことにあります。そもそも葬儀は以前「公」のイベントでした。地域、近所の方が協力して、葬儀をしたものです。精進料理も仕出しではなく、近所のご婦人方が、集まり、採れた野菜を持ちよって、煮物や味噌汁を作り、参列者に振る舞っていました。まさに、地域の一大イベントでした。
お寺も当然、その地域のお寺が葬儀を司り、行うものでした。
今はどうでしょう?葬儀は「公」から「私」、つまりプライベートの行事に変化しています。その原因は血縁、地縁、社縁などの希薄化また人口動態の変化にあります。
「血縁」は親族との疎遠。年賀状のやり取りぐらいで、会うことはない。また、わざわざ参列してもらうのも迷惑と考える方も多い。
「地縁」は住宅事情の変化でマンション等が増えました。(最近では引っ越しの挨拶にも来ない。)お隣がどんな方が住んでいるのかも分からない。そんな方に、葬儀のお知らせをしたところで迷惑と考えるのは当然。また両親が長期入院や施設に入居してある場合、近所の方は、存在もしらない。そんな人に改めて「父が亡くなりました。」とも言いにくい。そうした事情から今では病院で亡くなってから直接、葬儀施設に直行する方がほとんど。
「社縁」は会社の人間関係の希薄化にあります。以前は会社帰りにちょっと一杯会社の仲間の飲みにいくのは当たり前。上司の家に招かれ、奥様の手料理を戴く。今では漫画の「サザエさん」でしか見かけなくなったような気がします。
これは「公=会社」ではなく「私」を優先する世の中になったからと思います。退社したら「私」の時間を大切にする。上司からの誘いもきっぱり断る。そうした利己主義な時代になってしまいました。
そうした様々な要因から葬儀に対しての価値観が変わってきたと思います。
少しさみしい気もしますが・・・・・・