葬儀のしきたり~白木位牌は2つあるのはなぜ?~
2022/12/13
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仏教の葬儀において木でできた位牌を目にしたことがあるかと思います。これは白木位牌や仮位牌などと呼ばれています。そもそも位牌とは、亡くなった方の戒名・法名、生前の名前、亡くなった時の年齢、亡くなった日などを記載する木製の板状のものを指します。仏壇などに飾られている黒塗りの位牌は本位牌と呼ばれており、本位牌を準備する間の代わりの位牌という意味で仮位牌とも呼ばれます。この本位牌は、四十九日の法要までに準備します。では本位牌を準備したら仮位牌はどのようにしたらよいのか?と疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。今回は白木位牌の取り扱いについてご紹介いたします。
白木位牌、仮位牌とは
白木位牌や仮位牌と呼ばれる木製の板状の位牌は、塗りなどが施されていない白木の状態のものが多く使用されています。葬儀は急を要することで、塗りの位牌を準備するのに時間がかかり間に合わないためにこの白木位牌が使用されます。通夜や葬儀の際に導師が戒名(浄土真宗では法名)、俗名(生前の名前)、亡くなった年齢、亡くなった日などを記載して持参します。式中は祭壇や焼香台の中央に安置されます。
白木位牌が2つあるのはなぜ?
地域や寺院によっては白木位牌が、大小2つ準備される場合もあります。2つある場合は、大きいものは遺族が自宅へ持ち帰る位牌として、もう一つの小さいものは棺の中に入れて一緒に火葬をしてしまう野位牌にする場合があります。また、寺院が小さな位牌を持ち帰り七日ごとのお参りをお寺で挙げてくれるという場合もあります。白木位牌が2つある場合は、寺院に確認しましょう。
本位牌はどこで準備する?
本位牌は葬儀が終わってから四十九日の法要までに準備します。本位牌には、漆を塗り金箔や金粉などで飾った塗り位牌と、黒檀や紫檀などで作られた唐木位牌があります。本位牌には他に、札板が十枚位入り、先祖の位牌をまとめるのに便利な回出位牌があります。塗り位牌は今まで、会津、名古屋、和歌山などで作られてきました。しかし最近では海外の中国製の位牌も数多く販売されていますので、購入の際には注意が必要です。位牌はお寺が用意してくれる場合もありますが、一般には四十九日までに仏壇店で購入します。仏壇店以外でも最近は、葬儀社や石材店などで位牌を扱っているところもあります。専門知識を持った信頼できるところで購入するのが一番安心です。だいたい本塗りの位牌を準備するのに1週間から10日ほどかかりますので、余裕をもって準備を行いましょう。また、注文に行く際は実際に白木位牌を持参するか、表裏の写真を撮って持参することをお勧めいたします。
本位牌を準備した後の白木位牌はどうする?
葬儀から四十九日の法要までの間に使用していた白木位牌は、本位牌と入れ替えで処分することになります。
仮位牌には故人の魂が入っているため、処分する前にまずはその魂を抜く必要があります。仮位牌から魂を抜くことを閉眼供養といい、葬儀や四十九日の法要を依頼している寺院にお願いするのが一般的です。そして閉眼供養が終わったら、白木の位牌から本位牌に魂を入れ替える開眼供養をあわせて行います。開眼供養を行うことで白木の位牌から本位牌に魂が入れ替えになり、本位牌を仏壇に飾れるようになります。
閉眼供養が終わった白木位牌は役目を終えて、ただの木の板となります。自身で処分しても構わないとされていますが、法要を行っていただいた寺院に引き取ってもらえる場合がほとんどですので、事前に依頼しておきましょう。白木位牌を引き取った寺院ではお焚き上げを行っていただけます。
なまた寺院に処分を依頼するのが難しい場合は、本位牌を購入した仏壇店などで回収していただける場合もありますので、相談してみましょう。
最後に
白木位牌(仮位牌)はあくもでも本位牌ができあがるまでの間で使用される位牌です。本位牌の準備が済んで閉眼供養・開眼供養が終わったらその役目を終えます。その後の扱いについてまでをご紹介しました。今回の記事を参考にしていただけたらと思います。